学級開きのために準備しておきたいこと3選
今回は学級開きの前に「どんなことをすればいいの?」と悩んでいる方へ向けて、私が毎年必ずやっている3月の準備について紹介します。
本来であれば、やるべきことはたくさんあって書ききれないのですが、今回はその中でも手軽にできること3つに絞って書きたいと思います。
それは次の3つです。
①自己紹介の台本を考える
②担任としてのルールを決める
③ミニネタをストックする
①自分の自己紹介の台本を考える
まず最初に考えておくのは自己紹介の台本です。4月のスタート時期はとにかく自己紹介の機会が多いです。職員室の自己紹介はスベっても何とかなりますが、子どもたちの前ですべるのは避けたいところです。
自己紹介をする上で重要なのがインパクトを残すこと。これが重要。4月の初日はとにかく忙しいです。
・クラスの移動
・プリントの配付と説明
・教科書配付
・提出物の回収
・今後の日程の説明・・・などなど
挙げたらきりがありません。そしてあっという間に下校の時間です。そして家に帰った子どもたちは次のような会話をするでしょう。
母「新しい先生どんな先生だった?」
子「プリントいっぱい配る先生だった」
こんな会話をされるのは嫌ですね。これを防ぐためには、とにかく自己紹介でインパクトを残すことです。おすすめは「あいうえお作文」で自己紹介をすること。
例えば、山田たかお先生なら
や・・・ヤングで
ま・・・マッチョで
だ・・・ダンスが得意
た・・・高いところが苦手だけど
か・・・肝心なときは頼りになる
お・・・男らしい先生です!
みたいな感じですね!内容はともかく、普通に自己紹介するよりはインパクトが残りますよね。あとは、演出の仕方も大事です。
「先生の名前ほんとうはめちゃくちゃ長いんだけど、君たちに覚えられるかな?きっと無理だろうなあ~」
という風に子たちを軽く挑発すると、「絶対覚えられるから教えて!!」と盛り上がります。
他にも、特技を披露したり、パワーポイントでクイズ形式にしたりする演出もいいですね。
②担任としてのルールを決める
次に、自己紹介と関連するのですが、担任としてのルールを決めておくことも大切です。ここでいう担任としてのルールとは例えば
・1年間継続して育てたいこと
・これだけは絶対にゆるさないということ
などです。
1つ目の「1年間継続して育てたいこと」は担任自身の学級経営に直結します。自分はどんなクラスに育てたいのか、それを実現すためには何を実行すればいいのか。そのビジョンがなければ指導ができません。
「そんなの子どもに合わないと決められないよ」
という人もいるかもしれませんが、先ほど書いたように、4月は本当に忙しいです。じっくり自分の学級経営の方針を考える暇なんてありません。
だからこそ、3月の余裕がある時期に学級の「骨格」を決めておくことは大切なのです。私の場合は
・自分からあいさつと返事をする
・給食準備を10分以内にする
・そうじは黙ってする
の3つです。
この3つというのにも意味があります。それは、あまり多すぎると指導が「ぶれて」しまうからです。学級経営で大事なのは1年間継続することです。あれも大事、これも大事となると、指導が追い付かなくなり、必ず教師が手を抜いてしまいます。ですから3つくらいがちょうどいいでしょう。
2つ目の絶対にゆるせないことというのは、担任がどのような時に叱るのかを明確にしたものです。
私の場合はこれも3つにしぼって4月に子どもたちに伝えるようにしています。次のような感じです。
「私は基本的には優しいですが、次の3つのことをしたときは強く叱るときがあります。1つは命の関わることをした時です。例えば、窓から外を覗いている人の背中を押すとかです。学校で一番大切なのは安全です。そして君たちの命です。私は、君たちの命が危険にならないように守る責任があります。だから命にかかわるようなことは絶対にしないでください。2つ目は、いじめです。例えば、人が傷つくことを平気でいったり、人の物を隠したりすることです。いじめは、いじめた方も、いじめられた方も傷つきます。それだけではなく、お家の人や先生たちも傷つきます。だから、人をいじめることは絶対に許しません。もし、困っている人や悩んでいる人がいれば先生にこっそり相談してください。3つ目は、3回注意しても改善されない時です。例えば、注意しているのにおしゃべりをやめないなどです。私は3回まではそれを注意します。1回注意しても聞き逃してしまうこともありますからね。また、1回言われたのにまたやってしまうことは誰でもあります。しかし、それは3回までです。3回注意しても直らないのはさすがに優しい先生でも許せません。その時は強く叱ります。」
こんな感じです。あくまでもこれは私の基準なので、みなさんは自分なりの基準をつくってみてください。
特に悩むのは3つ目の基準です。1つ目と2つ目の基準は、教師であるならば誰でも叱るべきものなので迷うことはないと思います。しかし、3つ目の基準は「え、そんなことで叱るの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
けど、それでいいんです!だからこそ伝える意味があるんです!!
自分の叱る基準を最初に示しておけば、「なんでこんなことで叱られるんだ・・・」というのを減らすことができます。「あ、そういえば先生が4月に言ってたな」と思わせれば、指導が通りやすくなります。
また、この基準があることで教師自身が自分の感情をコントロールしやすくなります。「あ・・・いま怒鳴りたいけど、子どもたちとの約束があるから我慢しよう」という歯止めがききます。
ですからこの3つ目は、「自分が普段から気にしていること」「これだけは我慢できない、許せない」という個人の価値基準を入れるべきだと考えています。
③ミニネタをストックする
一番手軽に準備できるのはミニネタをストックすることです。ミニネタとは、手軽に実践できるゲーム、学級遊びなどのことです。初日は、隙間の時間や余った時間にとにかくたくさんミニネタをやりましょう。手軽にできるおすすめのミニネタを紹介します。
〇テレパシーじゃんけん
・指で1~5の数字を出して、相手と同じ数字が出たら成功。
・担任と子どもたち、子ども同士でペア、子ども同士で3人組など、組み合わせは自由
・「て・て・て・テレパシー!」などの掛け声をかけるとさらに盛り上がる。
〇漢字探しゲーム
・お題を出す
例「口という字に2画足してできる漢字を1分でノートにたくさん書きましょう。まずは自分の力だけでやってみよう。」
・1分たったら、何個書けたかを発表する
・次は、友達と相談したり、辞書で調べてOKにする。3分ほど時間をとる。
・最後に、ノートの真っ白なページを開かせて、もう一度自分の力で何個書けるかやってみる。
・1分たったら、何個書けたかを発表する
・1回目と2回目を比べて、どうしてかける漢字が増えたのかを子どもたちに問う。
→友達と協力したから、自分で調べたから、集中して取り組んだから
・子どもから出た意見を価値づける
〇「〇〇といえば」ゲーム
・子どもたちにペアをつくらせる
・担任がお題を出して、ペアで答えがそろえば1ポイント
・3回戦して、一番ポイントが高いペアの優勝
例
「世界で一番強い動物といえば?」
「世界で一番速い動物といえば?」
「世界で一番かわいい動物といえば?」
※簡単なお題→難しいお題の順番で出す方が演出的に盛り上がる
このほかにもたくさんミニネタはあるので、ネットで検索したり、本を買ったりしてストックしておくといいと思います。ちなみに私の場合は、初日に10個ほどミニネタを放出するようにしています。
なぜなら、初日に「学校楽しかった!」「1年間楽しみだ!」と思ってほしいからです。子どもも教員も1年間が楽しみになるような学級開きにしたいですね!
それではまた!