教育実践×小学校教員blog

小学校教員が書く小学校教員に向けてのアカウントです。学級経営や実践ネタについて書きます。

「核をつくること」

「自分を磨くこと」「人を思いやること」。この言葉は、私が学級開きのときに最初に子どもたちに伝える言葉だ。それから、一年間、この言葉を核にして学級をつくっていく。

 学級をつくるには、より所になる「核」が必要だ。それが、教師の言葉であってもいいし、学級目標であってもいい。(ちなみに私は学級目標はつくらない派だ)

 クラスは一年、何かをするたびに、この「核」になる言葉に立ち戻って自分たちを振り返るのだ。

 

 例えば、運動会。学年の種目の練習に取り組んだり、係の仕事に取り組んだりする。そんな中で、明らかに練習で手を抜いている児童がいたとする。教師はそれを見逃さずに、それは「自分を磨く」ことにつながっているのかどうかを、子どもに問いたださなければならない。なぜなら、四月の最初に、それを大切にすることを教師が宣言しているからだ。

 

 教師は、宣言したからには、その方針を曲げてはいけない。

 子どもは、手抜きの達人だ。油断すると、すぐに手を抜こうとする。だからこそ、教師は、手を抜いた子どもに対して「否」をつきつけていくのだ。

 

 しかし、否定ばかりをしていては、教師は子どもからの信頼を失う。だからこそ、手を抜かずに自分を磨こうとしている子どもはうんとほめる。拍手を送る。

 ダメなことをしたら叱り、良いことをしたら褒める。これが基本だ。

 

 ここまでの話を聞くと、なんて押しつけがましい教師なんだと思う人もいるかもしれない。でも、私は押しつけでいいと思っている。

 教育の本質は「強制」である。

 教員は、指導者であり、学級という組織のリーダーである。リーダーならば、その組織の方針を決めなければならない。それを、組織のメンバーに押し付けなければならない。

 だからこそ、四月の学級開きが肝心なのだ。

 

 教師は、学級の核となる方針を決めよう。そして、それを一年間継続しよう。学級経営するとは、そういうことである。

8月7日 88セミナーで学んだこと

 こんにちは。今日は、松村英治先生と土居正博先生の88セミナーで学んだことを記事にしてみたいと思います。

 今回のセミナーの大きなテーマは「人材育成」。つまり、教員がどうやって教員を育てるかという視点で3人の先生から学びました。

 

 

 最初は松村英治先生の「人が育つ校内研究やOJTの在り方」というお話でした。

 松村先生のお話を聞いて、私が特に印象に残ったキーワードは「参観している教員が頑張る」と「若手同士で学びたいことを学ぶ場」という言葉でした。

 

 「参観している教員が頑張る」というのは、授業を参観している教員がその授業を通して学ぶという姿勢が大切だということです。松村先生の学校では、研究授業を「話題提供授業」と呼んでいるそうで、その名前からも提供された授業をもとに参観者全員が学ぶという姿勢が読み取れます。どうしても、研究授業となると授業者が一生懸命になって、周りの教員は「他人事」のようなスタンスに陥りがちです。だからこそ、この「参観している教員が頑張る」という言葉が心に刺さりました。

 

 次に、「若手同士が学びたいことを学ぶ場」です。松村先生の学校では自分が若いと思う教員が集まって自主的に学び合う「わかめの会」という勉強の場があるそうです。そこでは、若手が困っていることや学びたいことを話題に出し、自分だったらどうするかなどを話して情報交換をするそうです。

 例えば

 ・個人面談で工夫していること

 ・学年末にクラスにどんな話をして閉めているか

 ・始業式にどんなあいさつをするか

 ・成績処理はどのように行っているか

 ・効率のいい宿題のチェックの方法はないか

などです。若手の教員が「今」困っていることを共有して、情報交換できるのがすごくいいと思いました。学年やベテランの先生に聞きづらいことも、若手同士なら聞き安くなると思います!!

 

 

 2人目は土居正博先生です。土居先生は「人が育つサークルや研究会の在り方」というテーマでお話をしていました。

 その中で私が印象に残ったキーワードは「発表機会が教師の成長において重要」「実践を具体的に書く」という言葉です。

 

 1つ目の「発表機会が教師の成長において重要」というのは、発表して自分のやってきたことを言語化することで教師は成長できるということです。

 私も、自分の実践を文章に起こそうとしたことがありますが、やってきたことを言葉にするって本当に難しいです。それだけ、日々の授業を「無意識」にこなしていたんだと反省します。

 しかし、自分の実践を発表するには自分のやってきたことを「言語化」せざるを得ません。言語化することで、教師は自分の実践を振り返ることができるし、発表することで他の教員からフィードバックを得ることができます。

 つまり、自分の実践を発表することで、教師は自分の力量を高められるということです。

 

 2つ目の「実践を具体的に書く」というのは、文字通り、自分の実践を具体的に文章化するということです。

 例えば、文章の中に「大きな声であいさつするように指導する」という言葉があったとします。しかし、この文だけではどのように指導するのか、イメージが湧きません。

 ・教師はどんな声をかけるのか

 ・子どもからどんな反応が返ってくるのか

 ・そもそも大きな声とはどれくらいの声か

など、頭の中に映像が浮かぶくらい具体的に書くことが大切だと土居先生はおっしゃっていました。

 たしかに、自分の実践を文章にしたとき、抽象的な言葉に逃げてしまいがちです。それを許さず、とことん「具体」にこだわるのが、教師の力量を高めるためには必要不可欠だと学びました。

 

 

 最後の3人目はスターバックスコーヒーの下青木聖子さんです。下青木さんは、「スターバックスにおける人材育成で大切にしていること」というテーマでお話してくださいました。

 その中で私が印象に残ったキーワードは、「同じ景色を見ているのが学びになる」「人は90%近くが無意識の行動」という言葉でした。

 

 1つ目の「同じ景色を見ているのが学びになる」というのは、チームで同じ景色を共有することでフィードバックができるということです。

 スターバックスでは、1つの店舗に3~4人ほどの従業員がいるそうです。そして仕事をする上で大切にしているのが「タイムリーなフィードバックを行うこと」だそうです。

 フィードバックには2つの種類があります。「行動強化」と「行動是正」です。

 「行動強化」は望ましい行動の質を高めたり、望ましい行動を継続してもらう場合に使用します。

 ①目にした事実、観察した行動を話す⇒②観察した行動が効果的だった理由を話す。

このようなステップで相手にフィードバックを行います。

 ここでのポイントは、「できるだけすぐに伝えること」と「相手の価値観に合わせた言葉で伝えること」だそうです。

 できるだけ早くというのは納得できます。学校でも、子どものよい姿を見つけたら、その場で声をかけて褒めた方が時間がたってから褒めるよりも効果的です。

 しかし、「相手の価値観に合わせて褒める」という言葉には少しどきっとしました。なぜなら、普段は「自分の価値観」や「学校の価値観」で子どもに言葉をかけることが多いからです。でも、確かに自分が頑張っていないことを褒められてもピンとこないけど、自分が頑張っていることを褒められたら「もっと頑張ろう!!」とやる気がでますよね。

 

 もう一つの「行動是正」は望ましくない行動を改善する場合に使用します。

①目にした事実、観察した行動を話す⇒②望ましい行動について話す⇒③2番目の行動がよい理由を話す。というステップです。

 ここでのポイントは「どのように行動するべきだったのかを伝え、そうすることでどんな良い影響が出るのかを伝えること」だそうです。

 これを子どもへの指導の場面に置き換えて考えます。子どものあいさつの声が小さくて注意する場面があったとします。

 A「声が小さいからもっと大きな声であいさつして」

これは、「目にした事実」と「望ましい行動」だけを伝えた場合です。これに「その行動がよい理由」を付けたすと、

 B「声が小さいからもっと大きな声であいさつをしみて。そうすると、あいさつしてもらった方はすごく元気をもらえて明るい気持ちになるよ。」

このような声がけになるでしょうか。確かに、後者の声がけの方が「なぜあいさつ大きな声でするのか」が子どもにわかりやすくて指導が響きそうですよね。でも、私たち教員はAのような声がけで終わってしまいがちですよね。

 そして、もし望ましい行動に変化したらすぐに「行動強化」のフィードバックをすることも大切です。

 

 このように、タイムリーなフィードバックを行うためには、フィードバックをする人間とフィードバックをもらう人間が同じ景色を見ていなければなりません。

 しかし、学校では、教師⇒子どもへのフィードバックをする機会は多くても、教師⇒教師へフィードバックをする機会はそう多くはありません。つまり、教室という閉ざされた空間では教師はフィードバックをもらう機会が少なく、成長しにくいということです。だからこそ、松村先生や土居先生がおっしゃるように、お互いが授業を見合って意見を交換する場が必要なんですよね。

 

 2つ目の印象に残ったキーワードは「人は90%近くの無意識な行動」だという言葉です。これは、3人の先生の鼎談のときに下青木さんがふと漏らした言葉だったのですが、私にはガンガン響きました。土居先生の「発表することが成長になる」とびびっと繋がったのです。

 

 先ほど、土居先生のお話の中で発表するためには、実践を文章にしなければならない、そして、いざ文章を書いてみようとするとなかなか難しいという旨を書きました。

 つまり、文章にできない=無意識に指導をしている、ということです。これは、本当に恐ろしいことだと思いました。

 教師は授業の中で意図的に教材を準備し、意図的に発問を投げかけ、意図的に子どもを育てる手立てを打つのが本来あるべき姿だと私は考えていました。

 しかし、いざ自分のやってきたことを振り返ると「意図的に」行ってきた指導はどれだけあるでしょうか。その瞬間は何かしらの意図があったとしても、振り返るころには記憶には残っていません。その事実が自分で許せなかったし、もどかしかったのです。

 

 また、子どもたちの行動を見ても、「90%が無意識」と感じることが多々あります。

 例えば、低学年の男子Aくんが友達のBくんをふざけてたたいて泣かしたとします。

 すると教員は「どうしてそんなことしたの?」と聞くと思います。

 しかし、Aくんからしたら「なんとなく」「ふざけて」叩いたのでありそれ以上でもそれ以下でもありません。

 そこに、教師が期待するような明確な「意図」や「理由」が存在しない場合もあるのです。

 このようなことは、授業の中でも見かけられます。

教師「一番心に残った文に線を引いて見てください。」

  「どうしてそこに線を引いたの?」

子ども「なんとなく」

 

教師「AとBどっちの意見が正しいと思いますか?Aだと思う人?Bだと思う人?」

  「それでは、Aを選んだ人に理由を聞いてみましょう。」

子ども「理由は考え中です。」

 

 私はこんな場面になんども出くわしたことがあります。子どもたちは自分が選んだにもかかわらず、理由を言うのが難しいのです。

 

 

このようなことから、人間は「行動の選択」をしてから「理由の後付け」をする場合が多いのではないかと考えました。

 私たちは、「明確な理由」⇒「理由に基づいて行動」という順番で物事を考えがちですが、これって大人でもなかなか難しいのではないでしょうか。

 

 

 下青木さんは、人間の無意識を前提としたときに「意識できる範囲を広げていく」ことが大切だとおっしゃっていました。

 そして、意識できる範囲を広げるのに必要なのが「質問」と「対話」です。

 「質問」されることで、自分がなぜそんなことをしたのかを考えます。

 そして、「対話」を通して、そこの行動にどんな意味があったのか、どんな価値があったのかを確認していくのです。

 この考え方って授業にも大きな繋がりがあると思います。教師が発問することで、子どもが無意識的に内包していたもの言語化して、それを学級で共有する。それに対して互いにフィードバックをしてよりよい行動や考えを導き出す。それが授業をする意義なんじゃないかと考えました。

 

 

 

 さて、ここまで、学んだことを書き殴って文章化してきました。自分の頭の中にあることを言葉にするって本当に難しいですね。構成とか全く考えずに書いているので、読みににくいと思います。

 もし、よろしければ、ブログのコメントやTwitterなどでフィードバックをいただけると嬉しいです。

教室で指示を通りやすくするための○○

<はじめに>

 クラスで、教師が指示を出しても、子ども話を聞いていない、指示通りに動けないということがあります。このようなことで、困っている人は結構いるのではないでしょうか。しかし、厳しいことを言えば、そのような状況になるのは、教師の指示の出し方に問題がある場合が多いように思います。

 そこで、今回の記事では指示が子どもに通りやすくするためのちょっとしたテクニックを紹介します。

 

 教室で指示を通りやすくするためのテクニックは次の3つです。

・一時に一事を伝える

・指示の後に確認を入れる

・数字を入れる

 

 

 教師が指示の技術をつけることは、必要不可欠です。学校では、必ず教師が子どもに対しての指示を出します。しかし、この指示の言葉があいまいだったり、わかりにくかったりすると、子どもたちに混乱を招きます。だからこそ、子どもたちが安心して学習活動を行うためには、教師が指示の技術を身につけることが大切なのです。

 

 

<一時に一事を伝える>

 子どもに、同時に2つや3つの指示を出してはいけません。よく一度にいくつもの指示を出してしまう教師がいます。

 

「教科書の○ページ目を音読します。終わったらノートに日付を書き、漢字練習をしましょう。」

 

 このような指示だと、「先生、何ページを開くの?」と子どもが聞き、『○ページっていったでしょ!よく聞いてなさい』と教師がいらつきながら子どもを叱るシーンがすぐに思い浮かびます。これは、明らかに教師の指示の出し方が悪いのが原因です。

一度に複数の指示を出すと、大人でも混乱する場合もあります。子どもに指示を出すならば、なおさら、一度の指示では1つのことに限定して指示を出すことが重要です。

 

 

<指示の後に確認を入れる>

 指示を出した後に確認をすることで、指示が漏れることを防ぎ、子どもたちが安心して次の活動に入ることができます。先ほどのシーンを例にして説明します。

 

「教科書の○ページ目を開きます。」⇒正しいページを開いているか確認する。

 

 このように、1つ指示を出したら、その後に確認の作業を入れます。こうすることで、指示を聞き漏らしている子どもを見つけ、置いてきぼりにされることを防ぐことができます。

また、子ども同士で確認するという方法もあります。

 

「教科書の○ページ目を開きます。」

「隣の人とページが合っているか確認しましょう。」

 

このような指示を出すことで、正しいページを開いているか確認するだけでなく、授業の中で子どもたちのちょっとしたつながりをつくることもできます。

 この「指示の後に確認を入れる」という技術は、前の項で紹介した「一時に一事を伝える」とセットで使うと効果が絶大です。教師が1つのことを伝え、確認をすることで、子どもたちは安心して次の活動に取り組むことができるようになります。

 

<数字を入れる>

 指示の中に数字を入れると、子どもたちにその指示が伝わりやすくなります。再び、先ほどのシーンを用いて例を出してみます。

 

「漢字練習をします。ノートに漢字を3回ずつ書きましょう。」

 

指示の中に数字を入れると、子どもたちは、どれくらいの漢字を練習すればいいのかを理解することができます。

また、次のようなパターンもあります。

 

「漢字練習をします。新出漢字を使った熟語を1分以内にできるだけたくさんノートに書きましょう。」

 

時間制限を設けて指示を出すと、子どもたちの集中力が一気に高まります。しかも、何をすればいいのか、教師の指示をしっかり聞いていないと、スタートに出遅れてしまうので、教師の発言を注意深く聞く姿勢が身につきます。

 このように、指示の中に数字を入れることで、子どもたちに指示が伝わりやすくなり、スムーズに活動に入ることができます。

 

 

<まとめ>

 以上のように、教室の中で指示が通りやすくなるためには、「一時に一事を伝える」「指示の後に確認を入れる」「数字を入れる」という3つのテクニックを用いることをおすすめします。

 教室で指示が通らなくて困っているという方は、ぜひ一度試してみてください!!

子どもが荒れない授業づくりのための一歩

 ゴールデンウイークが終わってしまいますね。休み明けは心も体も重く、学校へ行きたくないとか仕事をしたくないという人がほとんどだと思います。私もそうです。大人だって体が重たいんだから、子どもだってなおさら重たいはずです。

 

 そんな連休明けに警戒しているのは、クラスの‘’荒れ‘’です。4月までは、猫をかぶっていた子どもたちも、5月頃になるとその本性をだんだん出してきます。特に「この先生はたいしたことないな」と思われると、その荒れは一気に加速します。

 

 今回は、そんな子どもの荒れを防ぐための方法を記事としてまとめてみましたので、よければご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 結論から言うと、子どもの荒れを防ぐために有効な方法、それは、「自分自身の授業を見直すこと」です。そんなの当たり前だと思う人もいるかもしれませんが、意外と自分の授業を見直している人って少ないんじゃないでしょうか。

 自分の授業を見直す方法はいくつかあります。

 ①ビデオを撮って記録する。

 ②自分で授業記録を書いてみる

 ③他の人に授業を見てもらってコメント してもらう

 

 どうでしょうか?研究授業ならまだしも、普段の自分の授業を上のような方法で見直すことって少ないのではないでしょうか。

 

 もし、授業を見直したことがないという人がいれば、ぜひ自分の授業をビデオにとって見てみてください。きっと驚くはずです。なぜなら、自分の授業がおどろくほどぐだぐだだからです。

 「あれ?なんて言ってるか聞き取れないな」

 「さっきと言ってることが変わっている」

 「発問が曖昧過ぎて、子どもが混乱している」

 「説明が長すぎて、聞いてられない。子どももだれてきている。」

 「あれ?こっちの子どもがふざけているのに、なんで注意しないんだろう?」

 

などなどと、第三者目線で自分の授業を見返してみると、たくさんの気づきを得ることができます。自分が思っているほど、自分は授業がうまくないのでがっかりするはずです。

 

 

 

 特にショックを受けるのは、自分の話の長さです。とにかく、説明が長くて飽き飽きします。子どもが話を聞けない気持ちがよーくわかります。教師の話ってとにかく長いんですよね。

 私は、それに気づいてから意識的に話を短くするように心がけていますが、それでもまだ長くなってしまうときがあります。意識してこれなんだから、意識していない先生の話なんてもう聞いてられません。

 よく、朝会の校長先生の話が長すぎて、貧血で生徒が倒れてしまうというシーンがありますが、まさにあの状況です。話が長い人の話を聞いていると意識が飛びそうになります。

 

 

 

 

 

 

 

 とにもかくにも、私の言いたいことは、クラスが荒れないようにするためには「自分の授業を見返してみて、自分の足りないところに気づきましょう」ということです。

 

 逆に言えば、荒れるクラスの授業は

・発問や指示が曖昧である

・教師の声が小さくて聞き取りづらい

・話が長くて要点がつかめない

・だらだらした空気になってしまう

・子どもが暇な時間ができてしまう

 

などの共通する特徴が存在します。改めてみると、このような特徴があれば、確かに荒れそうだなと思いますよね?

 

 しかし、怖いのは自分の授業にそのような特徴があるということに気づけないということです。

 

 自分の授業は、自分で見ることはできません。だからこそ、先ほど紹介したような方法で自分の授業を見直す必要があるのです。

 

 ビデオを撮るために、特別に授業を練る必要はありません。どちらかというと、普段の日常の授業のほうが見る価値があります。なぜなら、そんな普通の授業を子どもたちは1年間で1000時間近くも受けているからです。

 

 授業研究は、この日常の1000時間の授業のクオリティを上げるためにあります。ですから、そのための一歩は自分の授業を見直すことなんです。

 

 授業のクオリティが上がれば、子どもが荒れることはありません。むしろ、子どもが荒れてきたということは、自分の授業の質に問題がある可能性が大きいといえます。

 

 

 というわけで、ぜひゴールデンウィーク明けに、皆さんも自分自身の授業をビデオなどで撮影してみてください。きっと自分の授業を見て驚くと思いますよ!

 

 次回は、授業のクオリティを少しでも上げたいという人に向けて、そのポイントをまとめたものを記事に書きたいと思います。それでは、お読みいただきありがとうございました。

 

これだけは避けたい教師の失敗

 こんにちは。サンボンです。今回は、「これだけは避けたい教師の失敗」というテーマで記事を書いてみました。

 4月から教員になられる皆さんは、学校で働く上で多くの不安を抱えているということ思います。「こうすればうまくいく」ということを伝えるのはなかなか難しいのですが、「これだけはやめておけ」という内容ならばすらすら伝えられることに気がつきました。

 そこで、私が今まで小学校で働く上で経験した「これだけは避けたい教師の失敗」をブログで紹介していきたいと思います。

 

 自分自身の経験を振り返って、これはまずかったなという失敗談を集めてみて、その中でも特に注意した方がいいという失敗を紹介したいと思います。

 

 特に避けるべき失敗とはずばり・・・

 

 「集金の失敗」です。  

 

 これは、最もしてはいけない失敗の1つです。

 結論からいうと「子どもから集めたお金をなくしてしまった」という事件です。

 

 

 

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 なぜ、こんなことが起きてしまうのか。「そんなの普通ありえないでしょ」と思う方もいるとは思いますが、実はあり得ない話でもないのです。

 なぜなら「学校の現場は、構造的に物をなくしやすい」という現実があるからです。「構造的に物をなくしやすい」とはどういうことか、普段の教室での様子を例に出して説明してみます。

 例えば、朝に子どもたちが登校してきたとします。教室に入り、元気にあいさつをしたら、自分の席に行きランドセルをおろします。そして、次に家でやってきた宿題や提出するプリントなどを決められた場所に出します。例えば次のようなものが挙げられます。

  ・連絡帳

  ・自学ノート

  ・作文ノート

  ・漢字ドリル

  ・計算ドリル

  ・学習カード

  ・宿題のプリント

  ・学校から配付された提出書類

 

 さあ、もうお分かりの方もいらっしゃるでしょうか?そうです。「構造的に物をなくしやすい」というのはつまり、学校では「集める物が多すぎて混乱が起こりやすい」ということです。

 

 これらを一気に集めてしますと、机の上がごちゃごちゃになって、どこに何を置いたかわからない状態になります。

 

 このような状態になってしまうと「あれ、○○くんのプリントどこにいったっけ?」ということが頻繁におきます。そして、これがなかなか見つからないのです。探すだけで、1日の貴重な時間を費やしてしまいます。

 

ある調査によると、ビジネスマンが1年間で探し物に費やす時間は150時間にも及ぶそうです。恐ろしいほどの時間のロスです。教員の場合もこれと同じかそれ以上の時間を失っている可能性があります。

 

 そして、最も恐ろしいのは、

 

「集めたはずのお金がみつからない」

 

というケースです。

 学校によっては、本の購入や写真の購入の際のお金を担任が集める場合があります。この時に受け取ったお金をうっかり紛失してしまうということが起こってしまうのです。

 

 私の場合も、集めたはずのお金が見当たらず、教室や職員室を探し回るということが何回かありました。幸いにも、最後には見つかったので大事には至りませんでしたが、もし本当に無くしてしまったら大変でした。

 

 このような失敗を防ぐためにはどうしたらよいか。それは

「物を集める動線を決めておく」

ということが不可欠になります。

 

駄目な動線は次のようなパターンです。

 

パターン①

お金を受け取る⇒机に置いておく。⇒その机に他の物を置いてしまう⇒他の物の中にお金が紛れる⇒紛失

パターン②

お金を受け取る⇒職員室の机にしまう⇒後日、別の子どもからもお金を受け取る⇒金庫にしまう⇒また、別の子どもから受け取る⇒集金かばんにしまう⇒どこにしまったか忘れる⇒紛失

 

 この2つのパターンに共通するのは、「お金を集める動線を決めていない」ということにつきます。動線がばらばらになると、無くすリスクが高まるだけで無く、万が一無くしたときにどこで無くしたのかを特定しにくくなります。

 

 重要なのは次の2つです。

・集める場所を決める

・最短ルートで金庫へ置く

 

 まず、お金を集める場所を一定にしましょう。これが、ばらばらになると、どこにお金を集めたか忘れてしまい、紛失につながる恐れがあります。

 私の場合は、まずは子どもから直接お金を受け取ります。そして、それを集金かばんに入れておきます。これだけで「あれ?どこに置いたっけ?」ということをなくすことができます。

 ちなみに、子どもが直接集金かばんにお金を入れることはしません。万が一、お金が無くなった場合、子どもたちを疑わなければならなくなるからです。従って、集金かばんに触れるのは教師だけです。このような配慮も紛失やトラブルを防ぐ上で重要です。

 

 次に、最短ルートで金庫へ置くようにすることです。私の場合は、朝にお金を受け取ったら、それら全てを集金かばんに入れて、まっすぐ職員室の金庫へ入れて保管します。金庫の入れてしまえば、まずはひと安心です。

 この時に金庫に入れずに、職員室の机に置いておいたり、引き出しの中にしまっておくのはNGです。これも、置いた場所を忘れてしまうと紛失につながる可能性があります。とにかく、最短ルートで金庫へ保管するのが無難です。

 

 もしお金をなくしてしまった場合は、迷わず学年主任と管理職に報告しましょう。隠したり、ごまかしたりすると問題が悪化する一方です。相談すれば、案外なんとかなります。(まあ、なくさないのが一番ですけどね!)

 

 今回の記事はここまでです。読んでいただきありがとうございました!!

 

88セミナーで学んだことまとめ

88セミナーで学んだこと

 こんにちは。今回は、土居正博先生と松村英治先生のお二人のコラボ企画、いわゆる「88セミナー」参加して学んだことをブログにまとめたいと思います。

 

①平等に近づけることの大切さ

 今年度はこれに苦戦したのですごく響きました。「平等に近づける」とは、簡単に言い換えれば「ひいきしてると思わせないこと」と「誰でも安心して過ごせる関係性をつくること」の2つとして捉えました。

 1つ目の「ひいきしていると思わせない」というのは、一部の子どもばかりにおいしい思いや悲しい思いをさせないということです。例えば、クラスを受け持てば、次のような子どもがいると思います。

 A何もしなくても、教師によってくる子ども

 B何かしないと、教師によってこない子ども

 教師が何も手立てをとらなければ、必然と「先生はAの子どもたちのことは好きだけど、僕たちのことは構ってくれない」と思われてしまう。だからこそ、Bの子どもたちとどのように関わりをもつかが大事になってきます。このBの子どもたちと意図的、意識的に関わりをもつことを来年度は意識していきたいと考えました。

 2つ目の「誰でも安心して過ごせる関係性をつくること」というのは、子どもたち同士を対等な関係性にしていくということです。極端な例を出せば、「クラスのボスがいて他の子どもが安心して発言ができない」というような状況をつくらないということ。誰でも、安心して自分の気持ちを表現したり、それを周りの人が受け止めてくれたりする温かい雰囲気をつくっていきたいと考えました。

 

②教師が授業でどれだけ本気かを見せつける

 今回の話を聴いていて衝撃を受けたのは、土居先生の授業記録のエピソードでした。授業記録というのは、「授業での教師の発問や子どもの反応を、振り返って紙に起こしたもの」です。土居先生はそれを手書きで、しかも100号以上も発行しているのに驚きです。そして、それを子どもにも配ります。それを見た子どもは「土居先生すごくない?」とつぶやいたそうです。私は、このエピソードを聴いたときに「これだ!」と思いました。それは、「教師が本気で授業に取り組んでいるんだという姿勢を子どもに示す」ということです。こういうところから、教師と子どもとの信頼感が生まれてくるのだと思います。「あの、先生は本気で自分たちを伸ばそうとしてくれた。」「決して手を抜かないで接してくれた。」と思うからこそ、子どもたちも「自分もがんばろう」と思うのではないでしょうか。(もちろん、時には手を抜くことも大事です。教師が心身を壊したら元も子もないですから、、、)

 

③言行不一致を避ける

 これは、教師が犯してしまうNGの典型だと思います。「自分からあいさつしよう」と教師が言っているのにもかかわらず、子どもに何も言わない。こんなことが日常茶飯事です。しかし、これを繰り返してしまうと、「先生の言ってたこと守らなくても何も言われないんだ。」「別にやらなくてもいいや」という子どもたちの思考を強化してしまいます。教師がそれを発言したからには、それを子どもたちが本当にできているかどうかを確認して、定着させる必要があります。徹底と定着です。それを、1ヶ月、ひいては1年間継続することで、子どもたちの成長した姿として具現化されていくのだと思います。

 そして、徹底させるためのポイントは、「指導することをしぼること」。あれもこれもやるでは、徹底することはできません。どれも中途半端になってしまいます。これだけは徹底させて指導していくというのは3つほどにしぼるのがいいと思います。

 私の場合は、

 ①あいさつと返事を自分から元気に

 ②給食準備は10以内

 ③そうじはまずだまってやる

ということを1年間継続して指導しました。これは、ブラック学級経営の中村健一先生の実践を参考にしています。皆さんも、自分が徹底して指導したいことを焦点化してみるのが良いと思います。

 

 今回の記事は以上になります。新しいクラスを持つ上で、自分の教育観がアップデートされたことが嬉しいです。今日学んだことをもとに、クラスのしくみや指導の方針などを具体的に考えていきたいと思います。

学級開きおすすめの本6選

 こんにちは。今回は、学級開きをする前に読んでおきたい本を紹介したいと思います。私自身も学級開きが近づくとこの本を毎年読むようにしています。まさしく必読本です。今回はその中でも特におすすめの本を6冊紹介したいと思います。

 

①中村健一策略―ブラック学級開き 規律と秩序を仕込む漆黒の三日間

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  言わずと知れた人気のブラックシリーズの至高の一冊です。とにかく、学級経営で悩んでいる人は、迷わずブラックシリーズを読むことをおすすめします。中村先生の本の良いところは何といっても、綺麗ごと抜きの現実主義であるということ。この本を読めば、学級経営で具体的に何をすればいいのかがわかります。私が1、2年目で苦しんでいた時に出会ったのがこの一冊でした。この本に命を救われたと言っても過言じゃありません。

 

②赤坂信二「学級経営大全」

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 続いても人気の先生ですね。赤坂真二先生といえば、アドラー心理学をもとにした学級経営理論を多くの書籍にまとめています。その中でも特に読みやすく、教科書的にまとめられているのがこの一冊です。

 学級経営といえば、通常は教員としての経歴を重ねていくことで身につくものと考えられています。しかし、初任者や若手にはその「経験」がありません。それでは、何でそれを補えばよいのでしょうか。その答えを教えてくれる一冊です。この本を読むことで、経験だけでは学ぶことのできない学級経営に関する知識や理論を学ぶことができました。

③菊池省三「場面や目的に応じた1分・3分・5分でできる学級あそび105」

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  続いては、学級開きやちょっとした隙間時間に使える学級あそびがつめこまれた一冊です。菊池省三先生といえば、「褒め言葉のシャワー」や「成長ノート」の実践が有名ですが、私のお気に入りはこの本です。この本には、タイトルにあるように場面や目的に応じた学級あそびがたっぷりと詰め込まれています。特に4月の学級開き直後では、こうしたあそびをたくさん取り入れることで、子どもたちの心を掴むことができます。学級あそびの本は他にもたくさんありますが、一番使いやすいと感じたのがこの本です。ぜひ、教室に1冊おいてみてください!

④野中信行「学級経営力を高める3・7・30の法則

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  野中信行先生と言えば、初任者指導、学級経営指導のスペシャリストです。先ほど紹介した中村健一先生も、この野中先生から学級経営を学んだと著書の中で述べています。野中先生の特徴は、何と言っても現在の学校現場で起きている「学級崩壊」に目を向けていることです。正直、学校の現場で働いていると、いわゆる「学級崩壊」といわれるクラスは当たり前のように存在します。しかし、その言葉を出すのはタブーとされる雰囲気があるのです。(例えるなら〇リー・〇ッターに出てくる例のあの人的な)しかし、野中先生ははっきりと「現場の学級崩壊をどうにかしないといけない」と述べています。つまり、学級崩壊に正面から立ち向かうための理論や実践を我々に教えてくれる一冊であるということです。学級を安定させたいという思いがある方はぜひ読んでおきたい本です。

⑤土作彰「絶対に学級崩壊させない! ここ一番の「決めゼリフ」 <生き方>に迫る深いいクラスづくり」

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  土作彰先生と言えば、ミニネタの本が有名で「ミニネタの帝王」と呼ばれるお方です。そして、今回紹介する本のタイトルにも表れている通り、「熱血教師」でもあります。土作先生のすごさを一言で表すならば、「子どもを鍛え育てる教師」であるということです。圧倒的な声の大きさ、圧倒的な行動の素早さ、圧倒的なチームの団結力、教師としての力量の大きさが子どもたちの姿にそのまま反映されています。

 そして、その土作先生の著書の中でも私がおすすめするのは、この決めゼリフシリーズです。学校現場にでると、ありとあらゆるトラブルが起きます。そして、何の経験も引き出しもない初任者はあっという間に学級が崩れます。何故なら「問題が起きてから対策を考えているから」です。ある意味、初任者なのだからそれはしかたないかもしれません。しかし、そんな後手後手の対応を防ぐためにあるのがこの本です。この本には、学校現場で出会うであろう問題場面が多く紹介されています。そして土作先生流の対応の仕方やその理念が書かれています。つまり、この本を読むのことで「トラブルに対して、即時対応する力」を磨くことができます。そして、何より大切なのは、「この先、きっとこんなトラブルが起こるに違いない」という未来視ができるということ。これがかなり大きいです。問題が起こるとわかっていれば、先だって対策を立てることができます。まさに「機先を制す」ということです。

⑥土居正博「教員1年目の教科書 初任者でもバリバリ活躍したい! 教師のための心得」

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 最後に紹介するのは、最近も著書をだされた若手教員の実力派筆頭、土居正博先生です。土居先生と言えば、国語科の実践者でもあり「漢字ドリルシステム」の実践が有名ですね。土居先生の本はどれも読みやすいかつ、切れ味がするどい内容です。その中でも初任者にぴったりのこの本は必読です。

 この本の素晴らしいところは、ハウツーではなく、教師としての「在り方」が書かれているということです。教師として成長するということはどういうことか、成長するためにはどんな心構えが必要なのかを教えられる本です。教員5年目になる私もこの本から学ぶことは多くあり、何度も読み返しています。初任者のころにこの本に出合っていればと悔やまれます。このブログを読んだ皆さんはぜひ、この本を買って読んでみてください!!

 

 

 

 

 

以上で本の紹介を終わります。本来であれば、まだまだ紹介したい本はたくさんあるのですが、時間の都合上今回はここまでにしたいと思います。また、需要があれば第2弾という形で紹介したいと思います。それでは